前夜祭
しみは果てる事なく宙を舞うから
私の胸に涙を落としてゆきなさい
夜空の雲は何も語らない
なくしたものはどこに隠れてるの?
淋しさは重なり合いこの地を這うから
私はここで泣き声を聞き続けよう
静かな街は何も答えない
探し物ならあなたの中にあるはずさ
今以上 高いところへ
今以上 広がる世界へ
心臓の球根で幹を生やし立ち上がれ
枝を伸ばし葉を広げ光を浴びるのさ
あなたという形さえ根を張り続けるならば
何度でも何度でも脈を打てるだろう
今なら あなたの痛みを
私が 受け止めてみせよう
雑草も害虫も養分に変えてしまえ
その先に美しい花を咲かせばいい
時が経ち空は堕ち たとえ闇に呑まれても
あなたという熱ならば伝えられるはずさ
生まれ来る泣き声を歌に変えてゆこう
物語はここから始まりを迎えるのさ