忠太郎月夜 - 三波春夫 (みなみ はるお)
詞:門井八郎
曲:春川一夫
辛い浮世のしがらみ格子
義理が情を通せんぼ
姿やくざに姿やくざにやつれていても
瞼はなれぬ母の顔
「おかみさん-二十年前番場の宿に置いていかれた、
あんたの伜、忠太郎でござんす。
よっく顔をみてやっておくんなさいまし。え、
それじゃ、覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい、
覚えがねえと- - - - - -」
来るじゃなかった水熊横丁
筑波おろしが身にしみる
責めちゃなるまい責めちゃなるまい
おふくろさんを
これが親子のさだめなら
「そうだ今更ら恨んでみたって、
どうにもならねえ、
こうやって上と下の瞼を合せりゃ
逢わねえ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくるんだ。
それでいい、逢いたくなったら、逢いたくなったら、
俺ァ瞼をつぶるんだ」
何処へ飛ぼうと
番場のからす
西も東も風まかせ
浮世旅笠浮世旅笠
幾山越えて
今日も瞼の母と行く
「おっ母さんおっ母さん」