くれない草紙 - 小林幸子
词:松井由利夫
曲:遠藤実
あんたとはじめての出逢いが
二十八日お不動様のご縁日
皮肉だねぇ
切れた下駄の鼻緒が
縁のはじめだなんて
粋で勇肌で
ちょっと悪っぽくってさあ
しゃくだけどそんなあんたに
一目惚れだよ
紅をひと刷毛川面に散らし
月も未練な十三夜
恋慕深川こがれてみても
意地が邪魔して口には出せぬ
情け片袖江戸小紋
木場の細路地お不動さまを
抜けりゃ二の橋出会い橋
恋慕深川糸ひく柳
東下駄には素足が似合う
そんな台詞がいのちとり
男勝りで通ったわたしが
なんてこったぁ
心にぽっかり穴が
あいてしまったような
やるせないこの気持ち
態はないねぇ
逢いたいよあんたに
辰巳そだちにゃ
死んでも出来ぬ
芸の切り売り小商売
恋慕深川遠音の三味に
見栄も飾りも芸者も捨てて
泣いてすがろか川千鳥
お月さん教えておくれよ
どうすりゃいいのさ心の始末を
あぁ惚れて惚れて惚れぬいて
それしかないのかねぇ
お月さま