凜花人形 - mineko
枯れ木に花を咲かせましょう
荒れ狂う風に委ねましょう
光求める旅人へ
命の水を注ぎましょう
悪いことにはならないわ
無事に帰してあげるから
先へ行くのはおよしなさい
また会いたい人がいるでしょう
両手伸ばして
届くこの距離が
奇跡されど遠く
輪郭なぞる指先に触れたい
いつかいなくなるの
永久に契れない運命なら
永久に覚めない夢でいい
濃ゆい瘴気が満ちてゆく
力なき者は朽ちゆく
耳を塞いですり抜ける
また一人闇に溶けゆく
人に返るは救いの手
流せぬ嘆き包み抱く
川面流るる人形へ
身代わる為の人形へ
声張り上げて
すがりつき泣けばいいなんて
誰が許す?
凛と佇む
一輪の花でいたい
強くあれと
差し出された手はとらないの
幕が下りるまで躍らせて
青く光る空の下
歩けなくて籠の中
わかってるはずだった
忘れたかった
私が私でいることは叶わず
すべての人守るため心閉ざす
特別な想いを抱くことはない
だけど
知ってしまったの胸の痛みを
何もかも捨て去り
二人で生きたい
なんて
夢のような歌を口ずさむ
寄り添って心通わす
日常を紡ぎ
傍にいたかった
愛したかった
永久のさよなら