揚華羽 - 寺岛拓笃 (てらしま たくま)
空へと続く一筋の雨よ
壊れた僕が生きる意味教えて
想像した未来図に
絶望した具現者達が
蟲ケラを見つめながら
託したのは一振りの刀
落ちた闇へと群がる
敗者を吊るすイトスギ
その嘆き悲しみごと
切り裂いてやればいい?
この手が掴む幾億の命が
色を失くして千切れ飛び
消えた時
心亡くして立ちつくす勝者の
産まれた意味だと
奪って初めて知った
感情など捨てて消えた
縋り付いた空想も消えた
狂気に似た笑みを浮かべ
手にしたのは血溜まりと涙
落ちた躯を踏みつけ
神にでもなった気で
微笑みを奪うことが
僕がここにいる意味?
この手が紡ぐ幾億の命を
聞こえないように
潰してくれるのなら
君の優しさに触れることさえ
もう出来なくてもいい
一人ぼっちで
巧く生きてきたから
もう何も怖くないんだと
信じて戦っていた
もう涙は渇いた
落ちた両の手を通して
伝わるこの暖かさ
もう二度と忘れたくない
傷つけたくない誰も
この手が繋ぐ幾億の声が
色を失くして千切れ飛び
消えたって
何度も何度でも諦めず君は
冷たいこの手を
繋いで来るから僕は
この手が紡ぐ幾億の命を
何処までも今届ける為
生きよう
君の微笑みに触れられること
それが幸せと
産まれて初めて知った
それが答えだと
信じて見つけた今